根に持つ性格
「吉祥寺手づくり村」に参加中です。こういうイベントでは色んな作家さんと知り合うことができて、作家同士は、ライバル意識もありつつ仲間意識も強いと感じている。
お互い、言われて嬉しい言葉、嫌な言葉、を暗黙の了解でわかりあっている気がする。
そんな事を思う度に、10年くらい前のことで未だに喉元に引っ掛かって思い出してしまうことがある。
当時、この仕事をし始めて、収入はまだまだアルバイトがメインだった頃。
アルバイト先で、その日の納品予定のお人形をバイト仲間に見せたことがある。
その中で一人の男の人にお人形の値段を聞かれ、伝えたところ「ぼったくりじゃん」と言われた。
何が辛いというと、彼もまたミュージシャンを目指すアーティスト側の人間だったことだ。
お人形の値段に関しては、高いと思う人は高いと言うかもしれない。
自分にとって必要のないものには、物の価値は低くなる。
でも。同じ自己表現を生業とする仲間に、「ぼったくり」という言葉を投げかけられるなんて。
そもそも、お人形1つ作るのにどのくらい時間かかってるのかわからないくせに、なんでそんな事を言えるのか。
私は性格が悪いので、顔も思い出せない、既に連絡先も知らない人の言ったセリフを未だに根に持っていて、あの時、「あなたのライヴ代も高すぎない?」と言ってやれば良かった。なんて思っている。もういい加減忘れたいのに、何でいつまでも忘れられないのかな。
南海キャンディーズの山ちゃんのエッセイで、ずっと何年も前のことを忘れないでそれを火種に頑張る事を書いた「天才はあきらめた」という名著がある。いつも山ちゃんのラジオを聴いてきた山ちゃんファンとして、この根に持つ部分は山ちゃんイズムを引き継いでいるということにしておこうと思う。
そして、いつまでもルサンチマンみたいなもので突き動かされるのは、若い証と思っておこう。
2020/07/26