成功体験

何かを継続するには、成功体験が必要だ。
私は掃除がそんなに好きではないのだけれど、掃除をした後のすっきりしたいい気分を「成功体験」として知っているから、今日もめんどくさがりながらも私は掃除をする。

来年でYamaha.nozで洋服を作り始めて15周年になる。
なぜここまで続けてこれたのか。
ある程度の時期からは、以前のブログで「流されて生きている」と書いたように、目の前に課題や目標が次々と表れてそれに取り組んでいたら今に至っているわけだけれども、そんな状態に至るまでには、「買ってもらった」という成功体験を、“作ってもらった”から続けることが出来たと思っている。

作ってもらった、という言い方にした理由。
私の洋服の販売デビューは「ファブリカ」からだった。オーナーがまず「可愛いね」と買ってくれた。
そして、ファブリカのお客様に私の洋服を沢山売ってくれた。
その当時はそのありがたみが全然わかっていなかった。もちろん、嬉しかったし、感謝をしていたけれど、「始めたばかりのこの若い女の子が続けていけるよう」としていてくれたんだろうということに、30代になってから気付いた。
ファブリカのオーナーがそうやって意識していたのかは、直接言われたわけではないのでわからないけれど、そうやって洋服を買ってもらうことが、私の続けていくための大事な第一歩だったことは間違いない。
お金が入ってこなければ続けられない、とも言うけれど、お金よりももっと、「私の洋服は誰かに求められる存在だ」と思えることが、本当に大きかった。
始めたばかりの頃から「成功体験」をすることができたことが、私の大きな幸運で、ファブリカのオーナーへ伝えたい一番の感謝である。

放送中のドラマ「半沢直樹」で大和田常務が「施されたら施し返す、恩返しだ!」なんて言っていたけれど、私はこの恩は一生かけても返せないだろうな。もう諦めてます。ごめんなさい。
だから、後輩ができたら、私も!なんて思っているのに、一向に私には後輩が出来ない。
まだまだそういう器ではないということでしょうか。

2020/08/14