仕事、お金、自己実現
数年前、当時お付き合いしていた恋人に、突然銀行の1000万近くの預金残高を見せられたことがある。
当時の私としては、「月末の支払いに不安になることも無いんだろうなあ」と羨ましく思ったくらいで、その金額に多少驚きはしたものの、「だから?」と思った記憶がある。
なぜ見せてきたのか、理由は聞いてないのでわからないのだけれど、結婚を焦っていたらしい彼からの「生活に困ることは無いぞ」というアピールだったのかもしれない。
それはいいとして、その日、残高を見せた後に続けて彼は、「高いプレゼントとか買ってあげるつもりはないから」と言ってきたのだ。
???ど、どういうこと???
「買ってって言ったことはないし、欲しいものは自分で買うので大丈夫です」と一応返答したが、未だに謎発言である。
付き合い始めて2度目のデートでのこの発言に「何かおかしいぞ?」と思った違和感は消えることはなく、その恋人とは1年半程で別れることとなってしまった。
人間をお金を持っていることで優劣を付けようとする人、もしくは、お金を持っていることを誇示しようとする人からは、どこか自己肯定感が低いような感じを受ける。
お金持ちである自分を万能であるようにアピールしながらも、どこかとても無力感を感じてしまう。
私の仕事をするうえで、幸せだと感じる瞬間というのは、誰かに求められていると感じる瞬間だったりして、これって、自己肯定感を高めるのにとても効果的に作用する。
経営者のための本などを読むと、事業主となる時の心構えとして、その事業で「社会貢献と利益を両立させる」みたいなことが書かれていることが多い。
私も、とても大事だと思っている。
お客様が求めているものをより良いものとして届け、それによって、私だけじゃなくて取引先もちゃんと利益を出す。理想像です。
自分だけが儲かれば良い、メディアで目立ちたい、他の誰よりも自分が売れたい、その考えで仕事をしていっても自尊感情が生まれにくく、いつまで経っても何だか不幸せそうだ。
人が寄ってきても、「お金目当てなのでは?」と疑ってかかったりすることもあるだろう。
社会貢献できているかというと、医療や介護職の方々に比べたら、比べ物にならないくらい、かなり自分の欲望が強い仕事をしているとは思う。
けれど、こんな仕事の中でも、必要としてくれる人がいてくれている間は、その方々に喜んでもらえるよう誠実に仕事をしていきたい。
それが一番自分を幸せにする方法なのだから。
2020/12/17