差別に対して吠える

昨年DHCの代表が公に出した、在日韓国人への差別文章、このまま放っておいていいのだろうか。
一部ネットニュースにしかならず、テレビではあまり取り上げられてなかったようで、ご存じない方のために画像を添付します。途中からです。

信じられない差別用語の列挙。
これ、身内で回してた文章がうっかり出回っちゃいました、というわけではないから、余計恐ろしい。(それでもだめだけど。)
つまり「DHCは在日外国人を差別する企業ですけど、何か問題ある?」ということを企業トップ自ら発信しているのだ。

そもそも、純粋な日本人って何なんだろう。
いまいち定義がわからない。
両親が日本人なら純粋な日本人?そのもう1つ前の世代が韓国人の場合は?そのもう1つ前ならいいの?
馬鹿馬鹿しい。
きっと、日本人には、何世代も遡ると、他の大陸からやってきた人がとても多いことだろう。
「純粋な日本人」などという言葉を使って人種差別する企業のことを、私たちは許してはいけない。

Yahoo!ニュースのコメント欄は精神衛生上、あまり見ないことにしているけれど、このニュースのコメントをうっかり見てしまった。
すると、「DHCを応援します!」というコメント多数。衝撃。一部の人なんでしょうけれど。
そうやって韓国への差別を正当化する人やヘイトを撒き散らす人はみんな「だってあっちが先にやってきたから」という。
そしてもっとひどい言葉を平気で使う。

韓国での日本ヘイトも、確かにあるだろう。でもじっくりとニュースを追っていくと、韓国でもそんなヘイトに対して「ノー」という人達も多い。
どこの国にも差別する人はいて、そして、しっかりとそれに嫌悪する人もいるのだ。

昨年話題になったNIKEのCMに対して、「日本でこんな差別があるような印象操作をするなんて、NIKEは反日企業だ」なんて事を言っていた人もいたけれど、ほら、日本に差別、めちゃくちゃあるじゃないか。ということをDHCは証明してしまった。そもそも、自分は差別なんて絶対していないと言いきる方が凄くこわい。差別していないだろうか?と自分を疑う事を大事にしていきたい。
私たちに大切なものは、差別を無くそうという意識を持つこと。むろん、大企業には、大企業という誇りをもって、社会を差別の無い良い社会へ引っ張っていってもらいたい。

話が逸れますが、韓国といえば、昨年は「愛の不時着」というドラマが人気だったようです。去年私は、韓国文学に始めて触れた年だった。
といっても2冊だけですが。
チョ・ナムジュさんの「82年生まれ 、キム・ジヨン」と、同じくチョ・ナムジュさんの「彼女の名前は」

韓国ではフェミニズムのムーブメントが起こっていて、2016年に発売された「82年生まれ、キム・ジヨン」は、そのムーブメントの象徴のような一冊だ。
BTSのメンバーがこの一冊を取り上げたことでも話題になって、日本でもベストセラーとなり、昨年は映画化もされた。

この物語を読んで、あれ?これ、日本の話し?と思えるほど、身近にある「あるある」が詰め込まれた内容で、しかもその「あるある」は、全て苦しく絶望的な「あるある」なので、読んでいて涙が止まらない。
最後の最後まで絶望のこの小説の数年後に発売されたのが、「彼女の名前は」で、これから「キム・ジヨン」を読む人はセットで読むべし。
「キム・ジヨン」だけ読んだ人も、ぜひ読んでほしい。
「82年生まれ、キム・ジヨン」から火が付いたフェミニズムのムーブメントがあってこその、希望の一冊。
そこに、特に現実問題が解決しているわけではないけれど、声を上げ、動き出した女性たちの物語があり、絶望で泣いてる場合じゃないぞと力をもらった。

このように。
話が戻りますけど、感動したり、怒ったり、、動く心には、人種なんて関係ない。
人種で人を差別することがいかにナンセンスか、いい加減気付いてほしいものだ。

2021/01/11