言葉

“そんな言い方しなくても、、、”
と感じる場面が多々ある。
そんな時、言葉をそのまま受けとることが困難になってしまう。
本当に理不尽な要求をされて反発しているのか、それとも、正当な意見が言葉遣いのせいで受け入れられないのか、判断できなくなっている。
しばしば、言葉の強さに心を閉ざしてしまうことがあり、本当は自分が悪いのがわかっているのに、認められない事がある。
自分自身、言葉の使い方ばかりに気を回していて、真摯に相手と対話しようとしていなかった。
これが冷静な大人の態度ではないと、この本を読んで改めて気付いた。

「10代から知っておきたい あなたを閉じ込めるずるい言葉」著 森山 至貴

この本はタイトル通り10代の若者向けに書かれている本だが、大人である私にも、ハッとさせられる部分がとても沢山あり、特に「そんな言い方じゃ聞き入れてもらえないよ」がズルい言葉だということにグサッとやられた。
相手は、正しいことを言っているのに、「言い方が悪いから」聞き入れないというのは、あまりにも子供だ。
私自身が主張する側ならば、自分の主張を受け入れてもらうのが最終目標の時、言葉遣いにも気を使った方が近道だろうとは思っているが、正当な理由で怒っている人に対して、「まあまあ」「そんな言葉遣いやめなよ」というのは、まさにその人の傷ついた気持ちを閉じ込めてしまうことになってしまう。
わりと最近まで、怒りや悲しみは悪いものだとなんとなく思っていたために、今までそうやって誰かを「まあまあ」と閉じ込めてきてしまった経験がある。
心穏やかになってほしい、なんて、ひどい上から目線で付き合ってきたと思う。

怒る人には怒る理由がある。そこをすっ飛ばして「きつい言い方」に反応していては、相手との距離が縮まることはないだろう。
まだまだ私もこの事に気付いたばかりだし、強い言葉に何も反応しないで過ごすのは難しいけれど、相手の真意を間違って受けとることなく、また私も、多少言葉遣いが荒くなっても伝えなければならない局面が来た時は、堂々と主張して生きていきたいと思う。

2021/01/24